三角絞めでもてなして

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マーターズ(ネタバレ)/キツそうだから観たくなかった映画特集

マーターズ※この記事は2010年2月4日にアップしたものです。



原題:MARTYRS
2007/フランス・カナダ 上映時間100分
監督:パスカル・ロジェ
出演:モルジャーナ・アラウィ、ミレーヌ・ジャンパノイ、カトリーヌ・ベジャン、イザベル・ジャス、エミリー・ミスクジャン、マイク・チャット、ガエル・コアン、アニー・パスカル、ジェシー・パム、エリカ・スコット
(あらすじ)
1970年代のフランス、何者かに拉致監禁され、長期にわたり虐待を受け続けた少女リュシー(ジェシー・パム)は自力で逃げ出し、傷だらけの状態で発見される。養護施設に収容された彼女は心を閉ざしていたが、同年代の少女アンナ(エリカ・スコット)にだけは心を許していた。15年後、リュシー(ミレーヌ・ジャンパノイ)は自分を監禁した相手を発見し、猟銃を手に犯人宅を訪れる。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




50点


※今回の記事には残酷な表現や若干グロい画像が含まれているので、苦手な人は読まない方が良いかと思われます。


僕は映画の人体破壊描写は大好きなんですが、拷問シーンを観るのは苦手だったりします。お互いに“戦う”という合意の上での首チョンパなどは大好物なんですが、一方的な陵辱を観るのは本当にキツいというか(まぁ、普通はそうだと思いますが)。しかも、それをやられるのが女性だったりしたらなおさらでして。だから、この「マーターズ」シアターN渋谷でレイトショー公開されていた時は、ちょっと興味はありつつも「たぶん耐えられないだろうな」と思ってスルーしたんですね。で、今回観た感想ですが、思った通りキツかったです。

まず冒頭、虐待された少女・リュシーが逃げ出すシーン。その痛々しい姿と走りっぷりがリアルすぎて、開始3分で観るのをやめたくなりました。とにかく哀れなんですよ…。もうね、可哀想で可哀想で仕方なくて、そんなことをした奴に対する怒りがこみ上げてくるというか。

タイトルが出た後は平和な一家が登場。ほのぼのとした会話をしていたら、成長したリュシーがやって来て猟銃で皆殺し! まぁ、ここら辺は知っていたからあまり驚かなかったけど…。そこに親友のアンナ(レズっぽい)が合流するも、「殺した夫婦が犯人」というリュシーの主張には半信半疑だったりして。しかも、リュシーは「監禁されていたところから逃げ出す時に同じように捕まっていた女性を見捨てた」というトラウマを抱えていて、そのせいで“傷だらけの全裸女に襲われる妄想”をしながら自傷行為をするようになり(この妄想全裸女が本当に怖い)、すったもんだの挙げ句、自殺しちゃうんですね。

ここまでで、かなりイライラしました。2人ともよく分からないけどやたらノンビリしてるんですよ。ベタで野暮なツッコミなのは百も承知ですが「警察呼べよ」「そんなところで寝泊まりすんなよ」と思ったり。リュシーが自殺した後、独りぼっちになったアンナは泣きながら母親に電話したりするんですが、「さっさと帰ればいいのに…」としか思えないというか。

ただ、ここからの展開には非常にビックリしました。物音がしたので地下に行ったら、残酷写真が良い感じに展示してあって、奥には“大きめのホチキスみたいなモノで頭に金属製の目隠しを取り付けられた全身傷だらけの女性(しかも気が狂ってる!)”がいたりして。この女性のビジュアルが本当に最悪で、観ているだけで痛い、痛い。リュシーの主張通り、この家の夫婦は酷い奴らだったんですね。僕的には「よし、今度こそ警察に電話だ!」と思うんですが、なぜかアンナは自分が面倒をみようと風呂に入れるんだけど、これがまた痛そうで…。観ながら「さっさと警察に連絡して医者呼んでやれよ!」と腹が立ちましたね。


地下に監禁されていた女性はこんな感じ。痛々しいことこの上なし。
痛そうなポスター


そんなことをしていたら、いきなり武装した集団がやってきて傷だらけの女性を射殺。“マドモワゼル”というババアが出てきて、親切に説明してくれました。なんかコイツらの組織は“殉教者=マーター”を作りたいんだとか。拷問にあった人たちの写真を見せて「ホラ、死ぬ間際なのに目がキラキラしてるでしょ? これは何かが見えてるのよ」的なことを偉そうに言うんですよ。要は、金持ちサディストたちの組織は「死ぬ間際に何が見えているのかを知りたい」ってのが目的なんだそうで、「ホステル」に出てきた組織より動機がイマイチだと思いました。正直、「もっと別な方法あるんじゃないかなぁ」というか。いわゆる“殉教”と“何の関係もない人に一方的な暴力を加えること”はまったくの別物ですよね? まぁ、ホラー映画にそんなことを言っても仕方ないんですが、僕的に“マドモワゼル”の理屈はかなり不快で気に食わなかったです。

で、今度はアンナの拷問がスタート。両手を鎖に繋がれて、髪を切られて、いかにもタフな感じの男に一方的に殴られる殴られる…。抹茶プティングみたいな不味そうな食事を与えられつつ、とにかく殴られまくりで、僕のストレスは溜まりまくり…。本当にキツかったですよ。繋がれている鎖がかなり長いので、『96時間』のリーアム・ニーソンだったら、鎖を相手の首に巻きつけて…」などと妄想しつつも、アンナ役を演じているのがリーアム・ニーソンではないので、当然ながらそんな逆転劇は起きないワケでして。最後は全身の皮を剥がされちゃってました…。もう酷すぎるよ(ノДT) こういう時って、「映画の中に入って僕が助ける」的な心理状況に陥りがちですが、今回も心から思いましたね。そして、“タフな感じの男”が非常に強そうなので、「どうすれば勝てるか」と真剣に考えたりもしました(僕的には「まぁ、通報すれば良いかな」という結論)。

全身の皮を剥がされたアンナが恍惚の表情を浮かべたから、金持ちサディストたちは大騒ぎ。“マドモワゼル”は急いで駆けつけて、アンナに「何が見えたの?」と聞くと、アンナはボソボソっと答えるんですけど、その台詞は観客には聞こえなかったりして…。場面変わって集会シーン。執事みたいなジジイが「アンナに尊敬の念を持ってください」「17年間で殉教者のレベルに達したのは4人で、証言したのは今回が初めて」「今から“マドモワゼル”がそれを発表します」みたいなことを集まった金持ちどもに説明。トイレで準備中の“マドモワゼル”を呼びに行くと、“マドモワゼル”が「死後に何があると思う?」って聞いてくるんですよ。ジジイが「さあ?」と答えたら、ババアは「疑いなさい」と言って口に銃を突っ込んで自殺。「“マーター”って単語は殉教という意味で、語源のギリシャ語では“証人”を意味する」なんてテロップが出た後、皮を剥がれたアンナを映してから、エンドロール(「ダリオ・アルジェントに捧げる」なんて一文も入ってましたな)。この後半の怒濤の展開、僕はかなり不快でしたよ。

“アンナが見た光景”ってのが白っぽくて光が射してる感じで、ベタな臨死イメージ描写で安っぽいというか。アンナが話した内容が明かされないのも、結局、監督が思わせぶりにしたかっただけのような感じがして、なんかイラッとするというか。殉教とかいろいろキーワードを並べたかっただけで、深いことはまったく考えていないような。最後の“マドモワゼル”の自殺なんて思わせぶりだけど、オチがつかないから殺しただけなような…。

でも、好意的に考えると、それだけアンナの一言には破壊力があったのかもしれません。要は、“非人道的な拷問集団にリュシーと自分の人生をメチャクチャにされたアンナの復讐の一言”ということです。そうすると、エンドロールで流れる“幼いころのアンナとリーシュが遊んでいるシーン”がまた違う意味を持ってくるワケで。では、どんな内容だったのか、ちょっと考えてみました。

1 反逆していた

クソバカ野郎

耳を澄まして聞こえてきたのは「マ…マドモワゼルの…ク・ソ・バ・カ・ヤ・ロ・ウ…」のキツい一言。確かにあんな酷い目に遭わせておいて「教えて」だなんて都合が良すぎですよね。恥をかかされた“マドモワゼル”は、期待に胸を膨らましているみんなに言うに言えなくて自殺。

2 ボソボソ言ってみた

聞こえんなぁ

アンナは復讐のために“ちょっとボソボソ言っただけ”だった。“マドモワゼル”は「よく聞こえなかったのは自分の耳が悪いせいだ…」と思って、「実は聞こえなかった」と、期待に胸を膨らましているみんなに言うに言えなくて自殺。

3 見たままを言ってみた

デカイッスね

実はアンナ自身、白っぽいものが見えただけだったので、そのまま「白っぽかった」と伝えてみた。17年間で初めての証言なのにそんな内容でガッカリした“マドモワゼル”は、期待に胸を膨らましているみんなに言うに言えなくて自殺。


…なんかどうでも良い話を書いているウチに何が何やら分からなくなってきましたが、「キツそうだから観たくなかった映画特集」の1本目は、ストーリーはちょっと意外性があって面白かったし、ビジュアル的にもスゴかったけど、とにかく僕的にはキツい映画でした…。正直、こういうのが得意な人以外は観ない方が良いと思います。




パスカル・ロジェ監督作ですが、あまり評判は良くない様子。



拷問映画なのにスカッとするという不思議な映画。僕的にはやっぱりキツいところも多かったです…。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/04/02(土) 11:28:52|
  2. 記事(2010)