三角絞めでもてなして

「三角絞めでつかまえて」(http://ameblo.jp/kamiyamaz/)の避難所的なブログです。

お嬢さん(ネタバレ)

※本作はミステリー映画であり、ネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、未見の人は読んだらダメでございます!m9`Д´) ビシッ
※今回の記事は、下ネタまみれなので、そういう文章が苦手な方は気をつけてほしいでございます!m9`Д´) ビシッ









お嬢さん

お嬢さん

原題:Ah-ga-ssi/The Handmaiden
2015/韓国 上映時間 145分
監督・製作・脚本:パク・チャヌク
製作:シド・リム
製作総指揮:マイキー・リー
原作:サラ・ウォーターズ
脚本:チョン・ソギョン
撮影:チョン・ジョンフン
美術:リュ・ソンヒ
衣装:チョ・サンギョン
編集:キム・サンボム、キム・ジェボ
音楽:チョ・ヨンウク
出演:キム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン、キム・ヘスク、ムン・ソリ
パンフレット:★★★★(650円/この公開規模のアジア映画にしては頑張ってる。デザインは素敵だし、コラム2本もタメになります)
(あらすじ)
スラム街で詐欺グループに育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、藤原伯爵と呼ばれる詐欺師(ハ・ジョンウ)から、ある計画を持ちかけられる。それは、莫大な財産の相続権を持つ令嬢・秀子(キム・ミニ)を誘惑して結婚した後、精神病院に入れて財産を奪い取ろうというものだった。計画に加担することにしたスッキは、人里離れた土地に建つ屋敷で、日本文化に傾倒した支配的な叔父の上月(チョ・ジヌン)と暮らす秀子のもとで、珠子という名のメイドとして働きはじめる。しかし、献身的なスッキに秀子が少しずつ心を開くようになり、スッキもまた、だます相手のはずの秀子に心惹かれていき……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




93点


尊敬する映画評論家の町山智浩さんが「たまむすび」でまとめて紹介されたほど、3月に公開された韓国映画3本はどれも前評判が良かったりしましてね。で、3月中旬に「アシュラ」「哭声 コクソン」を観て、下旬にやっとTOHOシネマズ新宿で「お嬢さん」を鑑賞したんですが、大好きでした (〃∇〃) ウフフ 4月下旬、シネマート新宿でもう一度観たほどであり、まさか3本の中で一番ストライクな映画になるなんて、思いもよらなかったですよ。


TOHOシネマズ新宿の1番スクリーンは満席状態であり…。
1番スクリーン

シネマート新宿で観た時は立ち見が出るほど。スゴイね!
シネマート新宿


なんて言うんですかね、パク・チャヌク監督作のどことなく奇妙さが漂う世界観やらフェティッシュな作家性やら、女性2人の物語という要素やらカタコトの日本語やら、役者さんたちの熱演やら、すべてがプラスとなって、化学反応を起こしてスパークした印象。まず、映画のように3部構成で適当かつ雑にあらすじを垂れ流しておくと、こんな感じだったのです↓


<第1部:スッキ>

女中として屋敷に潜入する詐欺師スッキの目線で話が進みます。
スッキ(キム・テリ)

女泥棒の娘として生まれ、スラム街で詐欺グループに育てられた少女スッキは、同じスラム出身の詐欺師・藤原伯爵から、「金持ち上月の令嬢・秀子をオレに惚れさせて駆け落ち→資産だけブン取って精神病院に入れちまおうぜ!(`∀´) フハハハハ」なんて計画を持ち込まれて、やる気マンマン日曜日だったのですけれども。お嬢様ったら世間知らずで可哀相…というか、少しずつ好きになってきちゃって…。「キスってどうすればいいの?」なんて聞かれたから、ええいままよとやってみたら、セックスに発展しちゃって、秀でた美しさでございますッ!川*゚∀゚)=3 ムッハー とは言え、やっぱりお金はほしいからと、藤原伯爵の駆け落ち計画を渋々進めて、ああ、このままお嬢様は精神病院に入れられちゃうのだわ、アタシどうしよう…なんて思っていたら、秀子ではなくスッキが精神病院にブチ込まれてしまうから、ちくしょう、なんて女だ!Σ(°д°;し ダマサレタ!

コイツが藤原伯爵。彼が立案した詐欺プランに乗ったものの、スッキはお嬢様を好きになってしまって。
藤原伯爵(ハ・ジョンウ)

性の知識がないお嬢様に手ほどきしたりしてね。
初夜はどうするの?

ところが、最後はスッキが精神病院に入れられるからビックリですよ
精神病院に収容されるスッキ



<第2部:秀子>

次は秀子目線で話が語られるのです。
秀子(キム・ミニ)

母親が死に、韓国に住む“金持ちな叔父”上月と一緒に暮らすことになった秀子でしたが、チンコだマンコだとエロ小説を朗読させられる虐待生活に突入。しかも「チンコ (´∀`し ウフフ」なんて少し笑ったぐらいで叔母ともども暴力的な仕打ちをされる上に、なんか秘密の地下室でハードな目に遭いそうなムードがムンムンだったりするので、「チンコ (`・ω・´し キリッ」と真剣に取り組むエブリデイ。自分の前に朗読を担当していた叔母の自殺を経て大人になった秀子は、変態金持ちどもを相手にエロ小説を朗読する日々を送っていたところ、藤原伯爵が登場して、「ビジネスとして私と駆け落ちして、あなたの資産を山分けしましょう ( ̄ー ̄) ニヤッ」なんて提案をしてくるから、その話、乗った!m9`Д´し ビシッ

幼いころからエロ小説を読まされる秀子。
朗読の練習中

しかも、逆らうと容赦ない仕打ちが待っているから地獄なのです。
顔を掴んでグリグリ!

そして成長すると、芝居を交えながら立派に朗読できるようになり…。
変態貴族相手の朗読

変態貴族たちも大満足なのでした。
変態貴族たち

その計画では「アホな女中を身代わりにして精神病院にブチ込む→自分は自由の身になる」という予定なので、今までいた女中を解雇して、藤原伯爵プロデュースのスッキが来てみれば、“自分では頭がいいと思っているマヌケ”だったから、ヤレヤレ(苦笑)と思いながらも実は性格が良い素直な子で、アタシのことを大事に想ってくれそうだし、少しずつ好きになってきちゃって…。「キスってどうすればいいの?」なんてカマトトぶってみれば、セックスに発展しちゃって、秀でた美しさでございますッ!川*゚∀゚)=3 ムッハー

この場面、性の知識まみれなお嬢様の擬態だったというね。
初夜はどうするの?

もうスッキがずっと側にいてくれるなら、藤原伯爵との駆け落ち計画なんてどうでもいいの…なんて思ってみたら、スッキは「伯爵と結婚すべきです… (`Δ´;し」なんて計画の実行を最優先するから、「絶望した!川TДT)ノ」と叔母のように首吊り自殺を試みてみれば、スッキが泣きながら「死なないでぇ〜!ヽ(TДTし」と止めにきて。「私はお嬢様を騙そうとしてたんです… (ノω・、し」「あら、私こそアナタを騙そうとしてたのよ 川´∀`) オアイコネ」なんて「走れメロス」ライクな和解を経て、第3部に突入だッ!川`Д´)人(`Д´し ウォォォォォッ!

こうして和解した2人が反逆の狼煙を上げるという燃える展開!
私を騙したつもり?



<第3部:解放>

この2人による「藤原伯爵の裏をかく計画」がスタートいたします。
騙し合う2人

スッキと秀子は密かに詐欺師グループと連絡を取って、スッキは彼らの力で精神病院を脱出。その間、秀子はアヘン濃縮液を使って藤原伯爵を眠らせる→金を奪って、スッキと落ち合いまして。上月の追っ手に囚われた藤原伯爵は、秘密の地下室で指を切り落とす拷問を受けるも、水銀入りのタバコを吸うことで、気化した水銀で上月を退治&自分も死にましてね。そのころ、自由の身になったスッキと秀子は、鉄製のプレジャーグッズを使って、すっかりお楽しみなのでした… 川〃∇〃)(〃∇〃し ウフフ

藤原伯爵は、秀子にアヘン入りワインを飲まされてしまい、地獄へ直行エンド。
アヘン入りワインを持って藤原伯爵のところへ

最後はこんな感じで終わってましたよ。
幸せな2人



大雑把に好きなところを3つ挙げると、1つ目は「女性たちが解放される物語」として楽しかった。本作の原作は「このミステリーがすごい! 2005年版」の海外部門で第1位になったサラ・ウォーターズの「荊の城」なんですが、舞台を19世紀半ばのイギリスから日本統治時代の韓国に移しただけでなく、第3部は原作と異なる展開にしたそうで。僕は未読なので、原作がどういうオチなのかは知りませんが、最後が2人の濡れ場で終わることに関して監督はパンフでこんなことを仰っていて↓


( ´_ゝ`)
メイルゲイズ、男性視点で撮ってはいけないと、自らを検閲しながら撮っていました。
とはいえ、女性の体の美しさ、女性が快楽を楽しむことに対する賛美を惜しまず、
ポジティブなものとして捉えたかった。
私は原作を読んでいた時から最後は濡れ場で映画を終えたいと思っていました。
というのは、秀子は子どもの頃から性的に強い搾取を受けて成長してきた女性だから。
最後は男性の視線にさらされる対象、男性が好む物語を朗読する女性ではなく、
好きなことをし、快楽を追求する形で終わらせてあげたいと思いました。
それが私からの秀子へのプレゼントです。



「監督ったら優しい… (ノω・、)」と思ってね…(しみじみ)。時代や社会から虐げられてきた2人の女性が愛する人を見つけて(特に秀子の「私の人生を壊しにきた救世主」という台詞が泣ける!)、イチャイチャして終わるラストは多幸感に満ちていて。なんて言うんですかね、ハッピーエンドの「テルマ&ルイーズ」を観た気分というか。とは言え、世の「濡れ場」というものは、僕や「濡れ場ンディアス」こと2代目しまおまほさんのようなゲスな男性客から「おやおや、百合ですな (・∀・) ニヤニヤ」なんて目線で消費されるシーンでもあるワケですが、この点でもパク・チャヌク監督がよく考えているなぁと思ったのは、2人がセックスに使用するプレジャーグッズですよ。


鉄製の鈴なのです。
鉄製の鈴


「映画の中盤で叔父の上月が幼いころの秀子を虐待するために使っていた“恐怖の象徴”が、2人の喜びを繋ぐアイテムに変わる」という流れが見事なだけでなく(たぶん別物ですが、形状が似てるのはそこを意識していると思う)。ごめんなさい、他の男性がそう思うかどうかは別として、僕は「お…大きい… (`Δ´;) ヌゥ」とドン引きしたのです。僕が装備する愚息の大きさがアイスランドにおける「法的な長さ」をクリアしているかどうかは置いといて(苦笑)、あんなのが女性器やアナルに入るんですか? いや、子どもが生まれる場所だから女性器はまだ大丈夫だとしても、アナルは結構ハードル高いんじゃないですかね?(痔になるどころかマジで裂けるよね?) まぁ、何はともあれ、僕はあの大きい鈴を見せられて、「お前のような粗品野郎はお呼びじゃないのよ!川`∀´)川`∀´) オホホホホホ」と言われているような気がして、胸が痛くて男性目線で消費するどころじゃなかったーーって、どうでも良いですかね。


ここまで読んだ方の心を代弁する曲を貼っておきますね↓




2つ目は、藤原伯爵の描き方。そりゃあクズな詐欺師ではあるものの、貧しい出自から成り上がった苦労人であり、本当は秀子のことを愛していたんですよね。ただ、人を騙し続けてきたゆえに、素直な想いを伝えられなくて。秀子自身はレズというよりは「“自分を心から愛してくれる人”を愛しただけ」であって、彼の「『若干好き』発言」や「スッキへの情のなさ」がなければ、結ばれることはなくとも、上月に引き渡されるような目には遭わなかったと思うのです。ただ、あの「若干好き」的なアプローチって、バカな男はやりがちじゃないですか。

実は僕も初めて好きな女性に告白する際、防衛本能から「た、たぶん僕は君のことが好きだと思うんだけどさ… (´∀`;)」なんて、腰の引けたトークを繰り広げてフラれてましてね…(遠い目)。世の中には「恋愛工学」なんてアホな思想が出回っていたりするワケですが、奥さんを含めて7人の女性と恋愛した(そして6人にフラれた)僕の経験則から言えば、小手先で“愛”は獲得できないというか。テクニックや理論じゃなく、「“気合い”の入った“硬ェー拳”が強ェーンだよ」ということがよくわかる展開だったなぁ…と思ったんですが、我ながら伝わりにくい文章を書いたことは十分自覚しております (´Д`;) スミマセン


「疾風伝説 特攻の拓」の好きなコマを貼っておきますね。警察時代、鵜呑みにしたら、パンチが全然当たらなくなりました。
“気合い”の入った“硬ェー拳”が強ェーンだよ


終盤の藤原伯爵も味わい深くて。騙されたのに恨み言を一つも言わないの。死地へ連行される車内で「普通のタバコ」を全部吸って「後の惨劇」に備えるのが渋いし、拷問も受け入れるムードもカッコ良かった。「水銀入りの青いタバコ」を吸って死にかける時、最後に思い浮かべるのが秀子というのも「彼女のことが本当に好きだったんだなぁ」というのがわかって、クソ野郎ながらもグッときたりしてね。ラスト、上月を道連れに死ぬ際に残した「死ぬ前にチンポを守れて良かった… (´・ω・`)」という台詞は、「ナイスガイズ!」「でも即死だったから大丈夫!(o^-')b」に並ぶ名台詞であり、「良かったネー (ノω・、)」と涙が止まらなかった男性観客は僕だけじゃなかったと思うし、そんな目に遭いながらも「史記」を編纂した司馬遷の偉大さをあらためて噛み締めた次第。


拷問に耐える藤原伯爵。チンコを切られる寸前で死ねるのでした。
拷問される藤原伯爵

なんとなく宮刑を受けた司馬遷を貼っておきますね(「史記」より)。
宮刑を受けた司馬遷

なんとなく「最強ロボ ダイオージャ」のED曲を貼っておきますね↓


最強ロボ ダイオージャ ~ ヨカッタネ宇宙 投稿者 retudou


3つ目は、何とも言えない奇妙さが面白かった。和洋折衷の独特な美術に、韓国の俳優たちが語るカタコトの日本語&「チンポ」「マンコ」といったダイレクトなエロ単語の数々(監督的に日本人が違和感を感じるのは織り込み済み)、日本の変態富裕層を相手にしたエロ小説の朗読会という設定、官能小説の挿絵を再現する装置などなど、江戸川乱歩先生の小説を映像化したような、淫靡かつダークでありながらもどこかユニークな世界観は最高としか言いようがなくて。終盤の拷問シーンにしても、葛飾北斎の「蛸と海女」を意識したタコの水槽や、切断された性器などのホルマリン漬けが展示されている“秘密の地下室”描写が100点なのはもちろんのこと、「本の裁断機で指を切断する」というハードな内容にもかかわらず、不思議と愉快なムードが漂うのがスゲェなぁと(親指の切断には少し時間が掛かったりするあたりの細かさが好き)。藤原伯爵が初夜の様子を聞きたがる上月に言い放つ、「こら、貴様! 人の妻の初夜の様子を聞く奴があるか!( ゚д゚)」の叱責とか、笑っちゃいましたよ。


失われた挿絵を再現すべく、木偶と宙づりになる秀子。「なにこの装置」と書かざるを得ないビジュアルなのです(でも好き)。
挿絵の実演

指を裁断するって相当残酷なのに、上月を演じたチョ・ジヌンのチャーミングさもあって、どことなく愉快だったり。
指を裁断!


ちなみに一番好きだったシーンは、スッキと秀子が初めてセックスをする場面。「キスってどうやってするのかな… (´・ω・`し」「仕方ない、教えてあげますよ 川´_ゝ`)」的な展開って、エロ漫画で腐るほど目撃し、何度となくオカズにしてきたワケですが(サラリと赤裸々な告白)、それの実写版としてムラムラした…というワケではなく。貝合わせ中の2人が心を通わせた瞬間に固く交わす握手のあまりの熱さに感動した。あの喜びの瞬間の力強さには驚いたというか、僕の中の「ベスト握手」だった「プレデター」のカール・ウェザース×アーノルド・シュワルツェネッガーに勝るとも劣らないと思ったり。


2人がここからエスカレートして貝合わせした時の握手は…。
結ばれる2人

「プレデター」のこの握手級の力強さがあったというのは、決して大げさではないのです。
カール・ウェザースとシュワルツェネッガーの握手

あと、誰もが思うところだし、監督も一番力を入れたそうですが、風呂で歯を削るシーンは超エロかったね (´∀`=) エロイワー
官能的なお風呂シーン


唯一の不満を書いておくと、映画を見終わってみれば、第1部の最後にスッキがナレーションで「騙しやがったな!」みたいなことを言うのは変だと思った程度(スッキもすべて知っていたワケだから“内面の声”で言うのは違うのでは)。役者さんたちは全員素晴らしかったし(ほぼ“良く見る人たち”ではあったけど)、大好きな映画でした (〃∇〃) ウフフ こういう虐げられていた人たちが知恵と正しい心で勝つ作品っていいなぁと。そして、奥さんとのセックスレスが7年目に突入しているということでね(苦笑)、唐突に本音を書くと、僕もセックスがしたい…セックスがしたいです… (ノω・、) ナニコノオチ




サラ・ウォーターズによる原作小説。第3部の展開が違うって、気になりますな。



サントラでございます。秀子バージョンもあるのです。



パク・チャヌク監督の前作。僕の感想はこんな感じ



なんとなく連想したリドリー・スコット監督作。ブラッド・ピットがカス役の映画にハズレなし(暴論)。



もうすぐBlu-rayも出るのでした。








テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2017/05/17(水) 23:59:00|
  2. 記事(2017)
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